2016年01月04日

〈30〉「明けましておめでとう」の文法

 謹賀新年
 今年は息子が高校入試を迎えるため、どこにも出掛けず、年末年始をほぼ自宅で過ごした。
書類やデータの整理とか片付けが異常に進んだのが収穫であった。
さて、本年は上の「謹賀新年」の文法解析はどうなるかという問題から始めよう。

文型は? これは第3文型である。どれが動詞かわかるだろうか?
現和人には案外難しい。=celebrate「祝う」という他動詞である。
「加」が音「ガ」を表し、「貝」が祝いの品物の意とされる。
二文字並べて、「祝賀」を想起すれば理解はたやすいが、「賀」からは動詞の役割が
失せてしまっているのである。は副詞であり訓読では「つつしんで」となる。
    副詞+V3+0
という並びである。もちろん、主語は発信者ないし一般人称にて省略である。
・・・・・・だから祝賀会というのは「祝いに祝う会」という意味になるわけだ。
そういえば、古賀さんとか大賀さんという中学時代の知り合いがいたが、
大賀さんって実にめでたい名前だったんだ、と今更ながら思ったりする。
もちろん「賀正」もこれと同じ第3文型の省略形態であることがわかるだろう。

では「謹しんで」という訓読はどういう意味だろうか。
現和語ではふつう「慎んで」と書くことからわかるように、
動詞として「慎重に、丁重に、用心して、厳格に扱う」様をいう。
ここから副詞に転じて、「丁重さ、謙虚さ」の気持ちを表すようになったようだ。
さてさて、そうすると「年賀状」は文法的に捉えかえすと、
「賀年状」という方が正しいのかもしれないなどなど思いつつ
年賀状の返信を書いている。
信州にしては例年にない、実に温暖な正月である。
posted by Kyuzen Ichikawa at 08:24| 漢文法補筆